
自分は現在プロのキックボクサーとして活動しています。
日本にはキックボクシングの団体がいくつかあるのですが、今年その一つであるJ-NETWORKで日本チャンピオンになりました。
今後は他団体や海外でのタイトル獲得を目指して活動を続けて行く予定です。
プロとして活動を始めたのは23歳の頃ですね。
もともとアマチュアで試合をしていましたが、ある大会での優勝を機にプロに転向しました。
実はプロを目指すことを決意した頃、まだ大学に通っていて丁度就職活動中でした。自分の中でもサラリーマンとして就職するかプロを目指すかをとにかく迷っていたんです。
そんなとき大学の就職課の先生に相談したところ、自分の夢をこんなところで諦めてはいけない・やり抜いた方がいいとアドバイスをいただきました。
それで決心したんです。
でもリスクのある挑戦であることは承知の上でしたので、自分の中で期限を設定する事が重要だと考え、「3年以内にチャンピオン」という目標を掲げて挑戦をすることにしました。
いいえ、そんなことはないです。
元々小学校~中学校と野球に打ち込んでいました。特に中学生の時の監督は厳しい方でとにかく毎日しごかれましたね。
それで高校に入っても野球部に入部したんですが、監督が野球経験のない方で…。
なんだか一気に肩すかしをくらってしまった気がして、少しずつ野球に対しての温度が冷めていって、2年生になる頃にはもう練習に行かなくなってしまいました。
それで何をしようかなと考えていた時にたまたま友人の紹介で始めたのがキックボクシングだったんです。
はじめてみたら夢中になってしまって。
そうですね、本気でやるからには何かを犠牲にしなくてはいけないと思い、生活を変えました。もちろん友達と遊ぶ時間は削りましたし、大学では4年間彼女をつくらないことにしました。
野球の事がありましたし、今度は絶対に何か成果を残したいという気持ちで打ち込んだんです。
はい。実はつい最近までフィットネスジムで4年半アルバイトをしていたんですが、現在は窓ふき清掃の仕事を個人事業主として行っています。
フィットネスでの仕事に不満があったわけではありませんが、団体での日本チャンピオンになった事をきっかけに新しい事に挑戦しようかなと思ったんです。
そんなときに丁度友達にこの仕事を紹介されました。
正直今は全てのことが初めてで、毎日新鮮な気持ちで仕事に臨んでいます。
窓ふきの仕事は危険で体力勝負、というイメージが一般的にはあると思いますが実はかなりテクニックが求められる仕事なんです。
今は先輩の仕事を見て仕事を学んでいます。
本業に対して理解をしてくれていますので試合が近い時期には長期でお休みをいただいてしっかりと準備の時間をつくっています。
今後海外に遠征の機会も出てくるはずなのでそういった意味ではしっかりと本業とバランスがとれる仕事かなと思います。
ひとつだけ伝えたいことは、「壁にぶつかってもすぐに諦めないで頑張ってほしい」ということです。
自分もプロに転向後順調に6試合連続でKO勝ちを飾ることができましたが、7戦目で初めての敗北を味わいました。しかもその選手は友人で学生時代にも敗北の経験がありました。今度こそリベンジという気持ちで臨みましたが本当にショックが大きくて…。
どうにか気持ちを入れ替えての8戦目も判定負けでその時は正直引退を考えました。
それでも始めた時の決意・今まで頑張ってきたこと、支えてくれた人達のことを考えて必死の思いで9戦目に勝ちを得ました。
今ではあの敗北があったからこそ現在の自分があると思っています。
負けを後悔しない。負けは財産です。
これから挑戦をする人たちも、壁に打ち当たったときこそ自分が試されていると思って、是非乗り越えてほしいと思います。